たぐり寄せたチャンスをものにする。北海道コンサドーレ札幌MF白井康介(24)が、今日25日のアウェー清水エスパルス戦でJ1リーグ戦初先発することが濃厚となった。24日、札幌・宮の沢で行われたミニゲームは主力組でプレーした。前節東京戦でJ1初ゴールを決めて勢いに乗るサイドアタッカーが、チームを2連勝に導く活躍で定位置奪取を狙う。

白井が初先発のチャンスに燃える。24日のミニゲームでは、23日に続いて主力組の左サイドハーフに入った。J1リーグ戦は今季デビューで、これまで5試合に途中出場。前節19日東京戦では、J1初ゴールで追いつき、2点のビハインドをはね返す逆転勝利を演出した。チーム内で存在感を増し、得点も決めたことで、先発起用の可能性が高まった。「いい準備をしたい。結果を残して、このままスタメンを確保したい」と、ペトロビッチ監督からの信頼をがっちりつかむつもりだ。

J2愛媛からJ1での活躍を夢見て今季札幌に加入した。だが目標だったJ1のピッチに立つまで、開幕から5カ月近くかかった。「遅くなってしまった。もちろん開幕スタメンを狙っていたので」。鬱憤(うっぷん)を晴らすべく、紅白戦や練習試合ではドリブルでの突破力など、持ち味を見せてきた。同位置に定着していたFW菅とのポジション争いを繰り広げる。

初ゴールの反響の大きさに、さらにやる気がわいた。多数の祝福のなかに、うれしい便りがあった。母校の大阪桐蔭・永野悦次郎監督からの連絡だった。「他の人には連絡が来るみたいだけど、僕にはあまり来ないからうれしかった。見ててくれているんだと思った」。恩師からのエールを力に「もっと頑張りたい」。さらなる“吉報”を届けるつもりだ。

アピールの絶好の機会となる。清水とは今季、ルヴァン杯も入れて3戦全敗中。前節からの2連勝を目指し、嫌でも気合が入るだけに「気負いすぎないように」と、自らに言い聞かせていた。【保坂果那】

◆MF白井のプロ生活 今年で6年目。13年湘南入りし、同年はJFL福島ユナイテッドに期限付き移籍。14年湘南(当時J2)に復帰しJデビュー。J1昇格した翌15年はリーグ戦出場がなく、シーズン途中からJ2愛媛に期限付き移籍した。完全移籍した16、17年は同チームの主力として活躍。J2リーグ戦通算91試合8得点。今季はリーグ戦5試合1得点、カップ戦5試合無得点。