湘南ベルマーレ曹貴裁監督(49)は、前身の藤和不動産サッカー部の68年の創部以来、50周年記念試合として開催されたセレッソ大阪戦で引き分けに終わった試合後「結果、勝ち点1が取れたので最良でも最悪の結果でもないのが正直な感想」と振り返った。

C大阪のパス回しに苦戦し、シュート数9対21、特に後半は6対14と圧倒されたが耐えた。迎えた後半42分、DF坂圭祐がゴール前に上げた浮き球パスを、MF杉岡大暉がそらしたボールを、DF大野和成(29)が左足で決めた。逃げ切りパターンだったが同ロスタイム4分、C大阪のCKから自陣ゴール前で混戦になると、オーバーラップしたGKキム・ジンヒョンのシュートをGK秋元陽太がかき出したこぼれ球を、MFソウザに押し込まれた。ラスト1プレーで、50周年記念試合の勝利がこぼれ落ちていった。

曹監督は「ゲームの内容を見ても、よく1点で収まったなと思うし、2点目を取ったら勝てるとも思ったけれど、チームは生き物。落としたと見るのか、拾ったと見るのか…僕は冷静に考え、次につなげなければと考える」と勝ち点1を前向きに捉えた。そして「選手は、ファイティングスピリッツを出して頑張った。C大阪のボール回しに引きずられたところもあったけれど、勝つための責任は果たした」と評価した。

14日の前節鹿島アントラーズ戦は、後半ロスタイムに勝ち越されて負けた。曹監督は「前回、鹿島は1-1で最後に守って勝ち点1という雰囲気。ダメだと言ったが、今日はそうではなかった」とも指摘した。

ホームで土壇場で引き分け、順位は1つ落とし、14位となった。勝ち点は31で、勝ち点30で並ぶJ2降格圏17位のガンバ大阪と、プレーオフ圏16位の柏レイソル、15位のサガン鳥栖との勝ち点差は1しかない。それでも、曹監督は「残留争いをしていると思っていない。ファン、サポーターと戦えるのはあと8試合と(準決勝進出の)ルヴァン杯。1点の曇りもなく、やっていこうという意志はブレることがない。楽しんでやりたい」と口にした。【村上幸将】