台風の影響で2試合が中止となり、J1で唯一開催された一戦は浦和レッズが柏レイソルに3-2で逆転勝ちした。エースFW興梠慎三(32)が鮮やかなループシュートなど2得点で勝利に貢献した。勝ち点を41とし、6位に浮上。3位鹿島に勝ち点差4まで詰め寄り、3位以内が出場する来季のACLへ望みを膨らませた。

興梠がエースの仕事を果たした。1-1の前半41分。自らのプレスで相手の連係を乱すと、こぼれ球を拾ったFW武藤のスルーパスにすかさず反応した。受けに走りながら2度首を振り、GKが前に出ているのを確認。ペナルティーエリアの外からダイレクトで浮かせたシュートはGKの頭上を越えてネットを揺らした。「GKを見て冷静に打てた」と利き足でない左足で技ありの1発だった。

後半、2-2とされて迎えた36分に試合を決めたのも興梠。再び武藤から送られた右クロスに今度は右足ダイレクトで合わせた。武藤も「自分がボールを(前線へ)引き出して、興梠さんにラストパスという形は昔よりもっとできるようになった」と手応えを語るホットラインを生かした。

3連勝とし、ACL出場権を得られる3位を視界に捉えた。1試合1ゴールを目標に掲げた興梠は「(3位は)大いにある。そこを目指して、上位チームとの対決にも勝ちたい」と力強く語った。【岡崎悠利】