清水エスパルスは見せ場も作れず、ドローに終わった。アウェーで湘南ベルマーレに0-0。前半から劣勢の展開が続くと、後半20分には審判の判定に激怒したヤン・ヨンソン監督(58)が退席処分となった。勝てば、J1残留が決定する一戦だったが、次節以降に持ち越しになった。

序盤から空回りの連続だった。清水は相手へのマークが曖昧になり、終始押し込まれる展開。前半35分には、CKから流れでクロスバー直撃のシュートを許し、あわや失点の場面を招いた。ヨンソン監督は「相手のプレスを早くかいくぐることが大事」と話していたが、防戦一方の展開は変わらず、耐えしのぐだけの45分間だった。

頼みの攻撃陣もほとんど機能しなかった。ボールを奪ってもミスの連続。中盤でリズムを作れず、MF竹内涼(27)は怒りを抑えきれない場面もあった。前節まで4試合連続得点のFW北川航也(22)も、効果的な仕事ができなかった。日本代表の森保一監督(50)が視察する前で「結果にこだわりたい」と意気込んでいたが、守備に追われる時間が続いた。

後半、ヨンソン監督は思いきった采配に出た。開始からMF金子翔太(23)に代えてMF村田和哉(30)を投入。切り札を入れて打開策を探ったが、悪い流れはベンチワークも狂わせた。同20分、審判の判定に激高したヨンソン監督は、目の前に転がってきたボールをピッチに蹴り返し、退席処分に。後味の悪さだけが残った。

勝てば、J1残留が決まる一戦だったが、最後までゴールは奪えなかった。相手は先月27日のルヴァン杯決勝から7日間で3試合を消化。対して、清水は万全のコンディションで臨んでいた。残留は次節以降に持ち越し。切り替えて戦うしかない。【神谷亮磨】