名古屋グランパスが劇的にJ1残留を決めた。試合終了時点ではJ1参入プレーオフ圏内の16位。

だが、終了から約2分後に他会場のジュビロ磐田が勝ち越しを許し、得失点差で15位に浮上した。会場はざわつき始め、次第に歓声へ。スタンドが歓喜に包まれると、選手も残留を確信しガッツポーズした。

試合終了時は「(J1参入プレーオフを)覚悟していた」というFW玉田は「ベンチは最初分からなかった。携帯を見ても、なかなかつながらなくて。雰囲気で分かった」という。

試合は前半に2点リードを許すも、後半に元ブラジル代表FWジョーがPKを決めて追い付いた。ハーフタイムに風間監督から「みんなの特徴は何だ?」と問われ「ボールを持って前に進んでいくこと」と全員で再確認。ベテランの玉田も「やる時は今しかない」とハッパを掛けた。指揮官は「追い付いたことで神様がほほえんでくれたのかな」と残留を喜んだ。

あれから2年-。16年11月3日、湘南ベルマーレ戦で敗れ、初のJ2降格が決定した。この日は悪夢からちょうど758日目だった。小西社長は「『なごや』の758日で今日も相手は湘南さん。何かご縁があるのかな。758日前にこの場で悔しい思いをした方も、今日は喜んでもらえたと思う」。

試合後のセレモニーでは同社長がサポーターの前で「来季も風間監督のもと、わくわくしたサッカーをお見せしたい」と続投を明言。FWジョーも今季24点で得点王に輝いた。指揮官就任3年目の来季に希望はつながった。