鹿島アントラーズが再び、レアル・マドリード(スペイン)と相まみえる。15日の準々決勝で北中米カリブ海王者グアダラハラ(メキシコ)に3-2で逆転勝ち。欧州王者の待つ準決勝へ駒を進めた。互いに故障者を抱え、万全とは言えない状況。チームの底力が問われる大一番で、16年大会決勝の熱戦で敗れた雪辱を期す。

3年越しで欧州王者への挑戦権をもぎ取った。鹿島は開始3分で先制されたが、後半に3ゴール。39分には19歳FW安部が左45度から右足でミドルシュートをゴール右上へ蹴り込み、終了間際のグアダラハラの猛攻を1点でしのいだ。殊勲の1発を決めた安部は「あんなきれいなゴール、多分プロに入って初めて。(運を)持っている」と白い歯を見せた。

開催国枠として出場した16年大会の熱戦がよみがえる。Rマドリードに一時は勝ち越し、延長戦までもつれ込む激闘。FWクリスティアノ・ロナウドに延長戦での2得点を含むハットトリックを決められて大金星はならなかったが、欧州王者を慌てさせた。アジア王者として臨む今回は1つ早い準決勝で再戦の機会が巡ってきた。当時コーチとしてベンチに入っていた大岩監督は「前回の悔しい気持ちをぶつける舞台を自分たちで勝ち取れた。強い気持ちで戦う」と静かに闘志をみなぎらせた。

懐の深さが問われる一戦になる。鹿島はボランチの日本代表MF三竿健、エースFW鈴木がケガで離脱している。ただ一方のRマドリードも不安要素は多い。15日のリーグ戦でMFアセンシオ、FWベンゼマに負傷の疑いが出ている。FWベール、MFカゼミロら主力組の状態も思わしくない。長くチームをけん引し、16年大会では鹿島に地力の差を見せつけたロナウドはユベントス(イタリア)へ移籍した。現在リーグ3位ながら主力の故障が続出している白い巨人は2年前の姿ではなく、付け入るスキはある。

3連覇を狙う優勝候補筆頭の相手でも、DF昌子は「レベルが上のチームがいたとしても、頂点を目指すのが鹿島」とひるむことはない。クラブ21個目のタイトル獲得へ、舞台は整った。