仏1部トゥールーズに完全移籍することが発表された、鹿島アントラーズDF昌子源(26)が29日、鹿島市内のクラブハウスで報道陣の取材に応じた。

今夏にも同クラブからオファーを受けていたが、鈴木満強化部長の「今の鹿島にはお前が必要だ」との言葉に胸を打たれ残留。クラブに悲願のACLのタイトルをもたらし、満を持して欧州に挑戦する。

新たな戦いの舞台となるフランスリーグのイメージを聞かれると、「ヨーロッパのリーグではあるけど、アフリカ系の選手が多いイメージ。ドイツや他のヨーロッパのリーグとは違う、センターバックには厳しいリーグなんじゃないかな」。「(W杯で)セネガルのFWニヤン選手とやったときに、この選手はやばいと思った。毎週そういう選手とできる」と、屈強な相手との対戦を心待ちにした。

移籍先のトゥールーズは、ワールドカップ(W杯)ロシア大会で昌子が堂々としたパフォーマンスを見せていたことを受け、オファーをしたという。「『ヨーロッパでもやっていない選手が、あれだけ堂々と自分を出せるのは素晴らしかった』と言ってもらいましたし、『能力はもちろん申し分ない』と言ってもらったのがうれしかったですね」と話した。

移籍の決め手となったのは、引退を発表したMF小笠原の言葉。ACLのタイトルをもたらし、移籍金としてお金も残すなど、クラブから受けた恩をきっちり返してから出て行く姿勢を褒められたという。「小笠原キャプテンの『自分で勝ち取ったオファーだろ』というのが自分の中ですごく響いた。挑戦して、サッカー選手だけでなく人としても成長したい」と息巻いた。

また「自信があって、強い気持ちを持って行く。日本人のセンターバックはなかなか海外で成功しないと言われるけど、182センチと世界では小柄な選手でもできるっていうのは、日本人だけでなくアジア人、東洋人としても誇らしいこと。そうなれるように、鹿島で習ったことをすべてぶつけたい」と話し、胸を張った。