J2アルビレックス新潟は8日、キャンプ地の高知・春野総合運動公園陸上競技場で練習を行った。GK大谷幸輝(29)が順調な仕上がりを見せている。7日の岡山との練習試合では90分間出場して無失点。ここまでキャンプの練習試合で、出場した時間帯はゼロに抑えている。新潟在籍3年目の今季、当時J2の北九州に所属していた14年以来の開幕スタメン、全42試合フル出場を目指している。

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全体練習終了後、クールダウンをしていた大谷は、立ち止まってジェルソンGKコーチ(47)と言葉をかわした。内容はシュートを止めるときの動作について。「1歩足を出してからセーブに行く。昨年から取り組んでいることの確認です」。細かい動きのチェックを怠らずにキャンプ終盤の調整段階に入っている。

数字が順調な調整ぶりを示す。キャンプの練習試合5試合すべて1本目に出場し無失点。7日の岡山戦は90分間出場し打たれたシュートのほとんどがイージーなもの。決定的な場面をつくらせなかった。

「昨年もキャンプでは取られなかったですから」と自身にとって手ごたえというレベルではない。その中で「岡山戦はプレッシャーの対応をもう少し整えたかった。自分もサポートしないと」。守備全体を見渡し、試合を想定した課題を導き出している。

新潟在籍3年目。今年の目標は「もちろん42試合フル出場です」と言い切る。昨季は第37節甲府戦から6試合フル出場。その流れで迎える今季、シュートストップ、動きながらのポジショニングなど自身のテーマの消化に努めてきた。

1カ月間同じ場所でのキャンプはプロ入り12年目で初の経験だが、「ゲームをやって息抜きしています」とストレスもうまく発散。故障なく過ごしているのがいちばんの成果だ。

14年、浦和から期限付き移籍した北九州で年間フル出場を果たしたとき、チーム史上最高の5位だった。「いい準備をしてシーズンに入りたい」。言葉の奥に、J1昇格に貢献する誓いを込めた。【斎藤慎一郎】

○…昨季途中、大宮から新潟に移籍したMFカウエ(29)は新潟では初のキャンプ。「3週間以上たって疲れもあるが、チームメートといい関係がつくれている」と話す。岡山戦では安定した守備から攻撃へのつなぎを披露。「自分でもいい出来と感じた」と仕上がりに自信を持った。今季は副主将の肩書もついた。「みんなと今まで以上にコミュニケーションを取って、アグレッシブなプレーをグラウンドで見せたい」。存在感は増している。