清水エスパルスは23日、アウェーでサンフレッチェ広島との開幕戦(Eスタ、14時)を迎える。最終調整した22日、静岡市内の練習場には、昨年11月逝去の久米一正・前ゼネラルマネジャー(GM、享年63)の家族から寄贈された応援ボードが掲げられた。亡き前GMの思いも背負い、4年ぶりの開幕白星を狙う。

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開幕を翌日に控えたチームを勇気づける言葉だった。清水は完全非公開で開幕前最後の練習を実施。この日、練習場には久米氏のメッセージ入りの応援ボードが掲げられた。「勝つには負けないこと、自分自身に負けないこと」。久米氏が人生訓にしていたという言葉。そのボードを目に焼き付けた選手たちの思いは、1つになった。

練習後、ヤン・ヨンソン監督(58)は言った。「チームスピリットを強くしていく中で、心強い言葉になると思う」。久米氏は昨季、クラブ再建を託されて11年ぶりに復帰。生前、「トップ5を狙えるチーム」と口にしていた。今季はその5位以内をクラブの目標に掲げている。MF竹内涼主将(27)も「久米さんはエスパルスのために力を注いでくれた。まだ一緒に仕事をしている感覚」と共闘を誓った。

昨季8位からの躍進を狙うチームは、今季から3バックの新布陣を取り入れた。広島戦でも新システムで臨むことが濃厚だ。対する広島は19日にACLプレーオフを勝ち抜き、本戦出場を決めている。これ以上ない腕試しとなる一戦に向け、1トップで先発が濃厚な日本代表FW北川航也(22)も「いろんなコンビネーションができているし、幅広い攻撃ができると思う」と自信を見せた。

相手は昨季2位の難敵。それでも、ヨンソン監督は「勝ちにいく試合をする」と言い切った。目指すのは15年鹿島戦(3○1)以来、4年ぶりの開幕白星。団結して勝ち点3を奪いにいく。【神谷亮磨】