若手の登竜門でベガルタ仙台のレジェンドが輝いた。前半16分、ボールハンターのMF富田晋伍(32)が奪取し、繰り出したスルーパスをMF梁勇基(37)が冷静に右足で先制点を押し込んだ。2年ぶりの公式戦ゴールに、「パスが出た時点でシュートまでのイメージができていた。皆さん若手選手しか取り上げてくれないので、たまにはオッサンが頑張ってもいいんじゃないかな」と笑わせた。

昨季はキャンプで故障し、シーズンでも無得点に終わり、ルーキーイヤーから14年刻んできたシーズン連続得点がストップした。「キャンプでいい状態を保ってやれていた。いい流れの中で早めに点を決められたことは、個人的にもすごく大きいことかなと思います」と胸をなで下ろした。

アウェー横浜F・マリノス戦からスタートし、中2~3日となる5連戦の4戦目。冷たいみぞれ模様のピッチで、30代のベテラン勢が過密日程の疲れもみせずに躍動した。同24分には長沢がペナルティー付近で狙っていたこぼれ球に反応。新天地で待望の初ゴールを決めた。後半にセットプレーから1点を失ったが、途中投入されたFW阿部拓馬(30)が持ち味のドリブルからファウルを奪い好機を演出。GK関憲太郎(33)はゴールを飛び出し、体をなげうって決定機を阻止した。MF関口訓充(33)も前線からの守備を怠らなかった。

渡辺晋監督(45)は「年齢で選手をピッチに送り出したことはないし、いい状態の選手が活躍していい循環ができたということ。若手選手が腐らずにやっていくためにも、彼らの活躍は教訓になる。素晴らしい活躍をしてくれた」とベテラン勢の活躍に目を細めた。【下田雄一】