ヴィッセル神戸がMFアンドレス・イニエスタ(34)の芸術的2アシストでも、サンフレッチェ広島に屈辱的な逆転負けを喫した。

前半15分、FKからFWウェリントンの頭にドンピシャで先制。追いつかれた直後の28分もFKから、FW古橋の動きだしを見て相手の意表を突く素早いリスタートでのスルーパスで勝ち越し点を奪った。しかし、後半20分から8分間で悪夢の3失点。最近3試合で計9失点と守れない。試合後のイニエスタは「ノーコメント」と表情を消した。

世界最高峰のプレーにうなったのは観客だけではなかった。視察した日本代表の森保一監督(50)は「うまい、のひと言ですね」と感嘆し「うまさばかり見えるが強さ、コンタクトスピリットが強い」と評した。体は大きくなくても、当たられても簡単に倒れない。「(日本選手が)外国勢と対戦する中で感じるところがあった。天性もあるだろうが、どうやったらああいう選手を育てられるか。日本の指導者として考えていきたい」と学びを得た。

チームは勝ち点3を得られなかったが、日本代表が成長するヒントを与えた。今季はこれで7試合すべてフル出場。疲れを見せない超絶プレーは、日本代表監督も魅了した。【実藤健一】