アルビレックス新潟が5試合ぶりの勝利で、連敗を4で止めた。FC岐阜を3-1で破った。前節からスタメンを5人入れ替えた中、426日ぶりのリーグ戦出場になった左サイドバックのDF堀米悠斗(24)が前半22分、フリーキックを蹴ってMFカウエ(30)の先制点につなげた。後半は開始1分にカウエがこの日2得点目、ロスタイムにはMF渡辺新太(23)がオウンゴールを誘い、ダメ押しの3点目を挙げた。

MFカウエのゴールを見届けた堀米は表情を緩めながらチームメートの歓喜の輪に加わった。前半22分、左サイドからのフリーキック。「中央に蹴ろうと思った。いいところに味方が入ってくれた」。左足で蹴ったボールを中央でMF渡辺新がつなぐ。それをファーに走り込んできたカウエが体で押し込んだ。

アシストと同等の正確なキック。蹴る前にもう1人のキッカー高木善朗(26)と話し合った。風向きは左サイドから右サイドへ。「ヨシ君(高木)が『左足で蹴った方がいい』と」。左足のボールなら風に乗る。利き足が右の高木がフェイントをかけ、レフティーの堀米がキック。狙い通りに先制点を生み、3得点の火ぶたを切った。

存在をアピールしたかった。リーグ戦出場は昨年の第8節岡山戦(4月8日)以来、426日ぶり。昨年6月に右すね疲労骨折の手術。全治4カ月でシーズンを棒に振った。完治し、コンディションが整った今季も、ここまで出場機会に恵まれなかった。

それでもモチベーションは下げなかった。「出られないのは自分の力不足。指摘された課題を改善する努力をしてきた」。裏を取られがちだった左サイドバックの守備の修正に努めてきた。この日、岐阜は序盤から堀米の裏にボールを入れてきた。鋭い出足で対応し、簡単に抜かせなかった。

新潟は前節甲府戦(1日)からスタメンが5人入れ替わった。「今のチームに必要なエネルギーを持っている選手を使った」と吉永一明監督(51)は言う。堀米もその1人だった。「自分は1試合でチャンスつかまなければならない」。気持ちの強さがあふれ出たプレーは手応えになった。同時に「勝ったからといって、次も出られるわけではない」。次節栃木戦(15日・デンカS)でもピッチに立ち、連勝に貢献するために気を引き締めた。【斎藤慎一郎】