12位の浦和レッズが、10位のベガルタ仙台を下して2試合ぶりの勝ち点3をつかんだ。FW興梠慎三(32)がクラブのJ1歴代単独最多ゴール記録となる92点目を決め、守り切り、仙台を抜いて10位に浮上した。

昨年度の天皇杯決勝(埼玉)で顔を合わせた両チームの再戦。開始早々に浦和をアクシデントが襲う。前半16分、先発のMFエヴェルトンが相手地の接触で倒れ込む。左肩を押さえて動けず、そのまま負傷退場。同19分にFWファブリシオと交代し、ピッチを後にした。

その中で両軍は一進一退の攻防を展開していたが、ホーム浦和が先制する。前半42分、DF岩波の縦パスを受けたFW武藤がスルーパス。これに反応して最終ラインの裏に抜け出した興梠が、ベガルタ仙台の日本代表GKシュミットと1対1に。冷静に、右足で浮かせたループシュートが決まり、均衡を破った。ミスターレッズこと福田正博氏が持っていた浦和通算91得点に先月、肩を並べていた興梠がサポーターの前で新たな記録を打ち立てた。前半は、この1点を浦和が守って1-0で折り返した。

リーグ4連勝中と勢いに乗る仙台は後半に巻き返したいところだったが、苦境に陥った。後半7分にMF椎橋が退場処分。中盤で浦和MF長沢がパスを出した後に体をぶつけてしまい、レイトタックルの判定。この日2枚目のイエローカードが提示された。1点を追う残り40分近くを10人で戦うことを余儀なくされた。渡辺監督は、FW石原に代えてMF富田を投入し、まずバランスを整えた。

その後は、数的優位の浦和が無理をせずボールを保持。得点した興梠も後半は下がってボールを受けるなど組み立てに回った。後半42分にお役御免。MF阿部との交代でピッチを後にした。追う仙台も10人ではなかなかボールを奪って攻撃に転じられず、6試合ぶりの無得点に終わった。興梠の1点を守った浦和が2試合ぶりの勝ち点3をつかんだ。