名古屋が鳥栖を下し、初優勝を果たした。

前半2分、ゴール前左サイドでパスを受けたMF倍井謙が中央へ持ち出し、右足で先制ゴール。続く13分、相手DFのパスをインターセプトしたMF榊原杏太がGKの頭上を抜くループシュートで追加点を奪った。

勢いづく名古屋は32分、ゴール前へのパス交換から、最後は中央で受けたMF倍井が押し込み3点目。前半は完全に主導権を握った。

後半は、鳥栖がトップチームでも公式戦に出場経験のあるMF本田風智を中心に、前から積極的にボールを奪い連動性ある攻撃で名古屋ゴールへと迫った。

後半9分、途中出場したFW秀島悠太のクロスボールを身長185センチのFW田中弾が頭で合わせてゴール。鳥栖が1点を返した。その後も鳥栖は再三のチャンスをつくるも、名古屋の粘り強いディフェンスの前に2点目が奪えない。

逆に名古屋のカウンターが鋭さを増す。エネルギッシュなプレーを披露する2年生FW武内翠寿の縦への突破に、2列目のMF倍井、榊原らのドリブラーが好機をつくった。ただ最後の決定力を欠き、追加点はならなかった。それでも前半に挙げた3点を守りきり、試合終了のホイッスルに歓喜を爆発させた。

ゲームキャプテンの田辺光平は「(小学生で)グランパスに来てから10年、やっと優勝できました。本当にうれしい。チームの雰囲気がよく、淡々と勝ち上がってくることができた」と満面の笑み。古賀聡監督も「11日間で7試合、相手のレベルも上がるしタフな試合でした。選手たち自身が掲げた日本一という目標を達成してくれた」と感慨に浸った。

名古屋は中盤から前は160センチ台の小柄な選手が多いが、個々の技術が高い上に、周囲と連動した速いショートパスで相手を翻弄(ほんろう)。一気にゴールへと向かうスピード感ある攻撃が光った。

なお名古屋MF倍井が6ゴールで大会得点王を獲得。大会MVPにはDF牛沢健が選ばれた。