J2アルビレックス新潟は14日、クラブハウス隣接ピッチでの練習を冒頭だけ公開して行った。紅白戦を繰り広げたが、吉永一明監督(51)は「最終ラインの組み合わせを少し試した」と話した。

DF舞行龍(30)の完全移籍に伴う選手配置の変更も示唆した。そんな中で不動のボランチが、MFカウエ(30)だ。開幕から27試合連続で先発フル出場。17日のホーム・ファジアーノ岡山戦も、中盤の底でゲームをコントロールする決意だ。

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照りつける太陽の下で行った練習を終えても、MFカウエは涼しい顔だった。「問題はない」と言った。開幕から27試合連続フル出場は、フィールドプレーヤーではDF大武峻(26)と並んで2人だけ。運動量を要求されるボランチのスタミナは底なしだ。「シーズンフル出場の経験もある」。昨季、大宮アルディージャから期限付き移籍して、8月26日のアビスパ福岡戦で先発フル出場の新潟デビュー。現在、シーズンを挟んで40試合連続先発フル出場だ。すでにチームに不可欠の存在になっている。

この日は、非公開で紅白戦を繰り広げた。最終ラインは、選手の組み合わせを数通り試した。MFカウエは、そんな守備陣と柔軟に連係するつもりだ。「違うスタイルの選手(DF舞行龍)が入った。順応しなければならない」。ボランチとして優先的に心掛けるのが守備。そして、味方のサポート。「パスミスをなくして、攻撃参加するのも大切」とも言う。コンビを組むMF戸嶋祥郎(23)の良さも十分把握。「動き回ってボールを奪いにいく選手。彼の役割を生かして、自分も生きたい」と話した。

チームの主将を担っていたMF加藤大(28)が7月29日付で福岡に期限付き移籍した。副主将だったMFカウエが自動的に新主将に就任した。「日本のチームで、外国人の自分がキャプテンになるのは誇りに思う。試合に勝って自分たちがいなければならない場所(J1)に戻りたい」と就任した7月30日に話したものだ。その思いは、今も変わらない。次節はホーム岡山戦。「J1、プレーオフに入るために、この試合は大事。しっかりやりたい」とブラジル人主将の視線は、昇格を捉えて離さなかった。【涌井幹雄】