浦和レッズが30日、埼玉・大原サッカー場でサポーターに練習を公開した。天皇杯4回戦でJFLのHonda FCに0-2で敗退した後、大槻毅監督(46)が、これまで非公開だった試合2日前の練習を原則オープンに変える新施策の初日。平日午前にもかかわらず50人超が集まった。

左右に分かれてサイド攻撃の形を確認し、終了すると28日のリーグ・サガン鳥栖戦(駅スタ、3-3)に出場した主力組は回復メニューへ。残る選手たちで8対8のミニゲームが始まった。注目は、鳥栖戦を負傷では今季初めて欠場したFW興梠。しっかり参加して開始直後のプレーでゴールネットを揺らすなど、リフレッシュしたことでキレのある動きを見せていた。約90分間のメニューもフル消化。この様子が、サポーターには隠すことなく披露された。

リーグ戦8試合、公式戦10試合勝利がないゲームだけではなく、普段の取り組みから見てもらい、背中を押してもらい、ともに闘ってもらい、一体感を高める狙いがある。ミニゲームの最中には、寄せが甘かった選手に対し「そこ、バチンといかなきゃ意味ないんだよね!」と大槻監督が大声を上げるなど、白熱した指導が青空の下で繰り広げられた。

練習後、FW武藤は「こうやって来てくれて応援の声をかけてもらうことで、常々思っているけど、あらためて、やらなきゃという気持ちになる」と感謝。MF関根も、2日のACL準決勝第1戦ホーム広州恒大戦(埼玉)へ「もう残すタイトルは、この1つしかない。取らないといけない。やっぱり、いいクロスを上げても、闘う姿勢を見せても、アシストだったり得点だったり、勝利という目に見える結果を残さないと、評価は下がっていく。次はホームなので、いいサッカーをしたい。勝ちたい。ただ、第1戦では突破が決まらないことも踏まえて、手堅い試合をしたい」と燃えた。

守護神のGK西川もサポーターの前で目を細めた。「自分たちのやっている姿を見てもらう機会が増えたのは、いいこと。去年の天皇杯の前(準決勝と決勝の前にサポーターを呼び、練習を公開した後に優勝)の素晴らしい雰囲気はハッキリ覚えているし、いつも以上にモチベーションが上がる」と歓迎した。

続けて「ACLは、まずはアウェーゴールを許さない試合をしっかりして、いい形で第2戦(23日)につなげたい」と言った。その前に鳥栖戦の反省も忘れない。2-0から3失点し、一時は試合をひっくり返された内容について「(直接FKで)1点を返されても慌てる必要はなかった。60分、75分を過ぎた時間帯のサイドの寄せだったり、無駄なファウルを減らすことだったり、クリアする場所を考えたり、自分も蹴るところを考えたり。ちょっとしたことを怠らないようにしたい」。振り返った上で2大会ぶり3度目のアジア王者へ切り替えた。

最後は大槻監督も自ら観覧エリアに向かってサインや記念撮影に応じるなど、一丸に。翌1日の前日練習はさすがに非公開だが、7月から6日のリーグ・ベガルタ仙台戦(1-0)から3カ月も遠ざかるホーム勝利へ、ファンの思いを胸に最終調整する。