湘南ベルマーレが選手らへのパワハラ行為で退任する曹貴裁監督(50)の後任として、現在U-18監督も兼務する浮嶋敏アカデミーダイレクター(52)に監督就任をオファーしていることが8日、分かった。

12年にコーチとして曹監督と共闘するなど走り勝つ“湘南スタイル”を熟知する人物で、交渉がまとまり次第発表し、早ければオフ明け10日の練習から指揮を執る見込み。

就任8年目を迎えていた長期政権が終わった。湘南は曹監督の退任を発表。同監督は公式サイトを通じて「もう1度初心に立ち返り、受け手が感じる気持ちに深く寄り添い、共に歩んでいける真の強さを身に付けなければいけない」とコメント。水谷社長と坂本スポーツダイレクターは3カ月間の月給50%減、真壁会長は報酬を得ていないため、水谷社長と同額を一般社団法人Ring Smileに寄付することも発表した。

当初、湘南はJリーグの調査でパワハラ行為が認定されても、指揮官続投の方向で動いていた。チームは指揮官不在の6戦で未勝利と低迷し、内部からも安定した体制を望む声が噴出した。話し合いを続けていた曹監督は精神的な問題に加え、復帰後にチームが再び一枚岩となることは難しいと悟り、この日までに辞意を固めた。

後任として白羽の矢が立った浮嶋氏は13年に現職となって以降はトップチームの戦術のアカデミーへの浸透に尽力。残り6試合で降格圏の17位松本と勝ち点3差。パワハラで監督が処分されるというJリーグ初の騒動を乗り越え、窮地の状況でもスタイルを貫いてJ1残留を目指す。