清水エスパルスは前半5分のDFファン・ソッコ(30)の退場が響き、今季2度目の3連敗。静岡ダービーの通算成績はジュビロ磐田の25勝6分け19敗となった。

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ダービー特有の高揚感も開始5分までだった。清水は前半5分、バウンドしたボールの対応を誤ったDFファン・ソッコが磐田FWルキアンを倒して、一発退場。同39分にはクロスをクリアしきれず、先制点を許した。数的不利の苦しい状況に追い打ちをかける1点ビハインドの展開。一度狂った歯車は簡単に修復できなかった。

篠田善之監督(48)は「自分たちで難しいゲームにしてしまった」。後半5分にはDF二見宏志(27)のロングスローからオウンゴールを誘発した。1-1。重苦しい雰囲気を変えるゴールが決まっても、劣勢の展開は劇的に好転しない。普段以上の走力が求められた選手たちは、徐々に疲弊した。後半41分には中央を崩され、決勝点を献上。最後の最後に数的不利の状況が重くのしかかった。

勝てば、残留に大きく前進する試合だった。DF立田悠悟(21)は「最低でも勝ち点1を取らなければいけなかった」と悔やんだ。直近のリーグ戦は浦和と広島に逆転負け。課題の試合運びは改善されず、宿敵との一戦にも敗れた。

この日は清水よりも下位の名古屋と鳥栖が敗戦。順位は変わらず13位だが、安心できる状況ではない。J2とプレーオフを行う16位湘南とは勝ち点4差。主将のMF竹内涼(28)は「自分たちで勝ちを手放したことが残念」とうつむくしかなかった。残り4試合。素直に受け入れがたい敗戦の悔しさは、次戦にぶつけるしかない。【神谷亮磨】