コンサドーレ札幌から史上初めて、2選手が同時に日本代表に選ばれた。日本サッカー協会は6日、代表メンバーを発表し、DF進藤亮佑(23)は、国際親善試合キリンチャレンジ杯ベネズエラ戦(19日、吹田)メンバーとして初選出。

代表復帰となるFW鈴木武蔵(25)も、同試合に加え、W杯アジア2次予選のアウェーキルギス戦(14日)に臨む。今季はルヴァン杯で準優勝。ミハイロ・ペトロビッチ監督(62)の下、確実にステップを踏むクラブが、代表選手同時輩出という形で成長を示した。

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日本代表に初めて複数選手が選ばれたコンサドーレ札幌のクラブとしての成長は、ピッチを離れても感じられる。

高校、大学生を担当する強化部の鈴木智樹スカウト(34)が言う。「僕がアドバンテージだと思うのは、クラブがこれだけ大きくなり、素晴らしいサッカーをしていると『札幌なら預けたい』『選手を育成してくれるクラブ』と思っていただける大学の監督やスタッフが増えたこと。僕の仕事はやりやすい」。

J2時代は札幌の名刺を出しても、好反応を感じることはなかったという。だが、昨季クラブ史上最高4位でアジア・チャンピオンズリーグ出場争いを最終節まで繰り広げ、今季はルヴァン杯準優勝。今年金メダルを獲得したユニバーシアード日本代表の将来有望大学生3選手の獲得に成功しているのも、評価が高まっている証しだ。

2年連続2ケタ得点のFW鈴木のような日本トップクラスのストライカーが加入し、DF進藤のような下部組織出身者も主力を張る。今、札幌はJ1で最も勢いのあるクラブと言っていい。【保坂果那】

◆主な北海道出身の日本代表 室蘭市出身のFW城は98年W杯フランス大会に出場。国際Aマッチ35試合7得点。現役では、札幌市出身のJ2愛媛MF山瀬が同13試合5得点。同市出身の神戸DF西は札幌U-15、18から06年トップチームに昇格し、鹿島時代の11年に初代表入り。今年3月のキリンチャレンジ杯で復帰し、通算2試合出場。名古屋DF千葉は釧路町出身で、13年東アジア杯で1試合出場。