今季を笑顔で締めくくる。北海道コンサドーレ札幌は最終節の7日、ホーム札幌ドームに川崎フロンターレを迎える。

リーグ戦通算5分け16敗(J1は2分け7敗)と未勝利の相手には、10月のルヴァン杯決勝もPK戦で敗れた“借り”がある。ミハイロ・ペトロビッチ監督(62)と選手たちは、悔しさをモチベーションに初勝利を目指して戦う。

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試合前日から、ペトロビッチ監督の最終節にかける熱量が伝わってきた。6日、札幌ドームでの練習前に行われた約55分間のミーティング。「今年のメンバーはすごくいい雰囲気だし、いい力を持った選手たちだと自信を持っている。明日はピッチで我々が今季いいチームで強いチームだったということを見せる」と訴えた。ピッチ入りの際には、得点源のFW鈴木武蔵(25)を身ぶり手ぶりで指導。全体練習後も前線の選手を個別指導する徹底ぶりだった。

クラブに新たな歴史を刻みたい。川崎Fにはリーグ戦で過去1度も勝っていない。昨季アウェーでは0-7とクラブワーストタイ失点で敗れるなど、難敵だ。ただし、今季はアウェーで1-1の引き分け、ルヴァン杯決勝も3-3からPK戦にもつれ込む接戦を演じた。同監督は「川崎Fはいいチームだけど、我々もそのチームと戦えるだけのいいチーム」と、力差はないと強調。本拠地で歓喜を呼び起こす。

今週の札幌・宮の沢での練習は氷点下の寒さと戦いながらで、積雪によりピッチの半分程度でのミニゲームが精いっぱい。調整については指揮官も「練習量としては難しかった」と認める。だが、クラブ初の国内3大タイトルを逃した悔しさは消えていない。「ルヴァン杯決勝と同じカードということで、モチベーション自体は保ててきた。うまくそういうところを利用しながら、明日のゲームに臨める」と、不安を吹き飛ばした。

負傷のためルヴァン杯決勝を欠場した主将のMF宮沢裕樹(30)は「しっかり勝って1年を終われるように」と選手の気持ちを代弁した。初優勝の夢を絶たれた後にチームが掲げた目標が、リーグ戦7位フィニッシュ。現在13勝7分け13敗、勝ち越してシーズンを終える。【保坂果那】

◆札幌の川崎F戦 リーグ戦は通算5分け16敗でJ1で2分け7敗(7得点22失点)J2は3分け9敗(4得点23失点)。J1では08年4月2日第4節の初対戦0-2から4連敗(J2時代を含むと03年から9連敗)し、17年4月16日第7節1-1で初めて引き分け、今年6月14日第15節も1-1で2度目の勝ち点1。カップ戦では08年ヤマザキナビスコ杯(当時)1次リーグで唯一の勝利を挙げている。