J2アルビレックス新潟は6日、昨季限りで退団した、元日本代表FW矢野貴章(35)が栃木SCに移籍すると発表した。矢野は新潟を通じ「最終節が終了してから今日まで、幾度となく新潟で過ごした日々を回想しています。サッカーのみならず、新潟各地の美しい景色や美味しい食事、出会った人々、どこを切り取っても本当にいい思い出ばかりです。そんな大好きな新潟の地を離れることは本当に寂しいですが、新しいチャレンジに向かって走り出したいと思います」とコメントした。

矢野は静岡・浜名高から2003年にJ1柏レイソルでデビューし、06年に新潟に移籍。10年に日本代表としてワールドカップ南アフリカ大会に出場し、同年8月にブンデスリーガのフライブルクに移籍し海外挑戦も果たした。12年に新潟に復帰し、13年から16年まで名古屋グランパスでプレーも、17年に新潟に3度目の加入を果たし、昨季までプレーしていた。J1通算358試合出場45得点。J2通算70試合出場7得点、昨今季はリーグ戦31試合に出場し2得点だった。栃木には昨季、史上初のJ2通算100得点を達成した、元日本代表FW大黒将志(39)がおり、大黒との元日本代表FWコンビ結成にも期待がかかる。矢野は「新潟を離れることになっても新潟、そしてアルビレックス新潟への愛は変わりません。ずっと応援しています」(コメントは原文のまま)と新潟への変わらぬ愛を口にした。

栃木SCは昨季、一時は最下位の22位に転落し、残り4節の段階で残留圏20位の鹿児島ユナイテッドFCとの勝ち点差は6と追い込まれていた。そこから、最終節のジェフユナイテッド市原・千葉とのアウェー戦に1-0で競り勝つなど、3勝1分けと驚異的な粘りを見せ、勝ち点40で並んだ鹿児島を得失点差で上回り、20位で残留を果たした。失点53はリーグ11位も、得点33はJ3に降格した最下位FC岐阜と並ぶ33と得点力不足は深刻だった。

田坂和昭監督が続投を決めた今オフは、積極補強を展開。V・ファーレン長崎からJ1で30試合、J2で295試合に出場したDF高杉亮太(35)、京都サンガから韓国、中国でもプレー経験があるFWエスクデロ競飛王(31)、千葉からは昨季はJ1松本山雅でプレーしたDF溝渕雄志(25)と相次いで実績、実力のある選手を獲得。6日には、大宮アルディージャを退団した38歳の大ベテランGK塩田仁史の獲得を発表していた。