北海道コンサドーレ札幌は、14日からタイ・チェンマイで第1次キャンプを開始する。

13日、北海道から約8時間半をかけて、キャンプ地入りした。今年は昨年より1試合多い、4戦の練習試合を予定。ミハイロ・ペトロビッチ監督(62)の就任3季目で戦術は浸透。目標とする初のアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)出場に向け、実戦型キャンプでチームを熟成させる。

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「ゼロ」からのスタートじゃない。積み上げてきた戦術を土台に、ミシャ札幌は優勝、ACL出場を実現するチームへ最終進化を遂げる。1月の平均気温が札幌より20度以上高いチェンマイでは、18日のプレー・ユナイテッドとの初実戦から、12日間で4試合が組まれている。6日にインフルエンザを発症したFW鈴木武蔵(25)も元気に姿を見せ、「体がきつい中で試合をするというのはシーズン通して戦うには大事」と、地獄のキャンプを見据えた。

就任3年目を迎えたペトロビッチ監督は、「この2年間は良い土台を作ることができた」と言う。今季の新加入選手は大卒の3人のみ。ほぼ全選手が指揮官のサッカー哲学に触れてきており、連係、戦術は熟成されてきている。公式戦の開幕が東京オリンピック(五輪)の影響で昨季から1週間早いこともあるが、23、25、29日の終盤は1週間で3試合を詰め込み、実戦の場を多く確保した。

選手たちの意識も違う。イベントや練習後の取材では口々に「ACL出場」を目標に掲げる。鈴木は「チームとしてはACL。個人としてはリーグ戦で20点取れたらいいなと思います」とキッパリ。「暖かく練習場も近くて、良い環境」という異国の地で、新たな歴史を切り開くシーズンのスタートを切る。【浅水友輝】