浦和レッズは24日、ウェブによる定時株主総会を開き、6198万円の当期純利益となる19年度決算が承認された。

9年連続の黒字で、事業収入はクラブ初の80億円超えとなる82億1766万円で、過去最高を記録した。20年度は新型コロナウイルスの影響で入場料や広告の収入は減収が見込まれるため「ケースをいくつか想定し、年度計画は見直すことにしている」と説明した。

20年度の入場料収入については昨年度と同じ23億円を上回る計画にしていたが、Jリーグで検討され始めた無観客試合になった場合は「それがある意味、なくなってしまうということにつながると理解している」と危機感。既に販売済みのシーズンチケットの返金を検討しているものの「Jリーグが寄付金扱いにする動きだとか、いろいろな形で働き掛けてくれていますので、そういった形で全部の返金をしなくても良い可能性があるのかなと感じています」とも口にした。

また広告収入は、可能な限りスポンサー企業のニーズに沿うような露出を増やすため、社内に作業部会も立ち上げたという。同社長は「今は(収入を)増やすことは考えられませんので、いかに減らさないかをやっています」と解説。唯一、増収が狙える部門としてeコマース(電子商取引)による物販を挙げ「今、スタジアムやショップで売れない。ネットで申し込んでいただいてお届けする商品だけは増やせるので、クラブ全員で知恵を出し合っています」とした。

欧州主要リーグではクラブによる選手や監督らの給与カットで減収分を補うという話題も多い。しかし立花社長は「Jリーグも固定費のところに手を付けず、クラブの事業を存続させることを見据えてスケジュールやプロトコルを作っている」と口調を強め「今のところ、現段階で話ができる状況ではないです」と、選手らの報酬削減などについては慎重な姿勢だった。【藤中栄二】