静岡県教育委員会はこのほど、新型コロナウイルスの影響で休校中の県立高校を25日に再開することを発表した。部活動も6月1日から段階的に始まる予定。本格的な練習再開のめどが立ってきた中、藤枝東サッカー部の小林公平監督(35)が電話取材に応じ、休校期間中の試みや再出発への思いなどを語った。

藤枝東では4月11日の活動停止以降、部活動再開に向けてオンラインを使った“準備”を行ってきた。

まずは、コンディション管理アプリを使った日々の体調や生活習慣の管理。体脂肪や身体症状(発熱やせきなど)の項目を入力し、スタッフ陣が手元で把握できる仕組みだ。4~5年前から導入していたが、今回は体温の項目も追加。朝と就寝前、1日2回に分けた入力で規則正しい生活と健康管理を意識させた。

ウェブ会議サービス「Zoom」も活用した。選手の意見を尊重しながら、オンラインミーティングや体重を負荷として利用する自重トレーニングを開催。各週1回のペースで行った。小林監督は「高校総体の開催可否も分からず、選手の中に不安があった。ちょっとしたことだけど、不安が取れたり、みんなで1つになってこの状況を乗り切ろうという意識も持たせたかった」。選手間ではリフティング動画などもリレー方式でつなぎ、離れた仲間とのつながりを保った。

同校は、今年2月の新人戦県大会で優勝。新型コロナウイルスの影響で県高校総体は中止となり、県内3冠は幻に終わった。だが、今秋には5大会ぶりの全国を目指す選手権県大会が控える。同監督は「健康、安全に配慮することが第一」とした上で、今後への思いを口にした。「選手権が開催されると信じて、そこで日本一ということを目指してやっていきたい」。目標に向け、少しずつ歩みを進める。【前田和哉】