昨季Jリーグ王者の横浜F・マリノスが1日、横浜市内で全体練習を再開した。

新型コロナウイルス感染予防のため非公開で行い、練習後に昨季JリーグMVP&得点王のFW仲川輝人(27)がオンラインで取材に対応した。3月に主力DFチアゴ・マルチンス(25)が負傷離脱して7月4日のリーグ戦再開に間に合うか微妙な状況。不安要素もある中、仲川が総力戦でのアタッキングフットボール再構築を誓った。

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久々となったチームメートとの再会に、自然と表情が緩む。仲川は「みんなの元気な姿を見れたので楽しくサッカーができました」と約2カ月ぶりの全体練習を振り返った。休止期間中は極力外出を回避。美容室にも行かず、自慢の金髪には地毛の黒髪が交じる。在宅生活が長引き「頭が痛くなってきた」と語っていたこともあったが、笑顔を取り戻した。

チームは決して万全ではない。主力DFチアゴ・マルチンスが3月9日の練習で右足第5中足骨を骨折した。全治2カ月半の重傷。戦術的に高い位置をとる最終ラインを支える。MVPの仲川自身が選ぶ昨季MVPに名を挙げた守備の要は、母国ブラジルでのリハビリ中で、この日も不在。7月4日の再開に間に合うかも微妙だが、エースは動じない。昨季は優勝のかかった勝負の終盤に出場した8戦で6発と救世主的な活躍でチームを王者に導いた。攻撃は最大の防御。苦しい時こそ、期待が大きいことは分かっている。

ポステコグルー監督からは「また優勝するためにチーム一丸となっていこう」と呼びかけられた。仲川も「新加入選手には去年優勝した、その苦労を知らない選手もいる。そういったものを共有していきたい」と自覚を示す。ACLもあり、今後は過密日程が予想される。「けがをすることもあるので、無理せず徐々に上げていければいいかなと思っている。チーム全体で質を高めていきたい」。徐々にギアを上げながら、ハマのスピードスターが目標の連覇へ、今季もチームを救う。【松尾幸之介】