名門青森山田出身の3年目、ヴィッセル神戸MF郷家友太(21)が11日、神戸市内での練習後、オンラインで取材に応じた。2月の横浜FCとの今季開幕戦は先発出場を果たすなど、二重丸のホープだ。

7月4日からのJ1再開初戦はサンフレッチェ広島との対戦となる。その後も関西圏など近隣クラブとの対戦が中心となり、郷家は特に関西ダービーへ闘志を燃やした。

「(すぐに)ガンバ大阪やセレッソ大阪と当たると思うので、関西、阪神ダービーは特に燃えてくる。移動面も関東に行くより短いので、選手としては助かる」

先日は社会連携活動の一環で、関西のJクラブ合同で、地元に「勇気」「笑顔」を与えられるように「負けへんで!関西」のプロジェクトを立ち上げたばかり。コロナ禍を乗り越えてきた地元へ、選手がプレーでお返しする。再開から2試合は無観客になる予定だが、郷家は「応援に来られないサポーターに僕たちの必死さを伝え、元気づけられたらいいと思う」と意気込んだ。

今季の目標は7ゴール、7アシストを掲げた。内心は2桁を狙っているが「その数字は最低ライン。まずその数字を取って、次を狙いたい」と話した。入団1年目の18年は22試合2得点、2年目の19年は12試合1得点。今季も確実に主力級へと成長しており、ACLなど他クラブよりも公式戦の機会が多いことを考えれば、十分に狙える数字だ。

前日10日は21歳の誕生日だった。本来は仲間がパイを投げてお祝いをしてくれるのがサッカー界の慣例だったが、「練習後にソーシャルディスタンスのために自分で自分の顔にパイを投げました。でもアンドレス(イニエスタ)や(小川)慶治朗君から直接、おめでとうと言ってくれた」と喜んだ。

「今年1年、過密日程で1試合1試合が大切だし、夏の連戦は若手の力も必要になってくる。結果にこだわりたい」。FW、2列目、ボランチもこなせる攻撃の万能選手が、神戸の2つ目のタイトル獲得へ鍵を握る。【横田和幸】