「リモートマッチ」でJリーグが再開する。日本トップリーグ連携機構(JTL)は15日、6月3日から9日まで募集していた「無観客試合」に変わる名称が「リモートマッチ」に決まったと発表した。参加リーグの1つでもあるJリーグは同日、リーグ戦とルヴァン杯の再開日程の一部を発表した。JTLのオンライン会見に出席した村井満チェアマン(60)は「リモマ」から新しいスポーツの楽しさを生み出していく決意を示した。

願い、希望、未来を新たな言葉に込めた。JTL川淵三郎会長は「無観客試合」を言い換える言葉として「リモートマッチ」を提案した。「クラブが懲罰のために収入を一切断つ、観客なしで行う、ホームでありながら声援を得られないという意味での無観客試合。今回は完全に意味合いが違う。よりポジティブな、コロナウイルスに打ち勝つような名前を」と、6月3日から9日までSNS上で募集。9156件の中から最終的にはJTL参加の9競技の12リーグ担当者と協議を重ね、決定した。

時代に沿った言葉を選んだ。新型コロナの影響で「リモートワーク」「リモート飲み会」といった言葉が一般的になった。「リモート」という言葉を根幹に、人々は不自由から1歩踏み出した新たな生活様式を生み出した。JTL田口事務局長は「物理的に離れていても選手とファンのつながりを示すという意味でも非常に素晴らしい」と説明。リモートで応援するファンを「リモーター」、リモートマッチを「リモマ」と略することも推奨した。

この日に日程を発表したJリーグは、再開後少なくとも2試合は「リモマ」で実施。7月10日以降は段階的に観客を入れる予定だが、村井チェアマンは「1000人でやる時は『リモート1000』とか不自由を一緒にしながらもスポーツを楽しんでいく思いが込められていると思う。一緒になって皆さまと新しいスポーツを作っていきたい」と「リモマ」でもサッカーの楽しさを共有できると確信。川淵会長も「リモートマッチだとしても日常にスポーツが戻ってきたという印象が、かつてないほど多くの人に体感してもらえるのではないか。生活の中でのスポーツのあり方を多くの人に共鳴してもらえるのではないか、スポーツの価値を認めてもらえるきっかけになると確信している」と力を込めた。まずはJリーグが、「リモマ」で活力を届ける。【浜本卓也】

◆トップリーグ連携機構 加盟団体の予定

・Jリーグ 27日にJ2再開、J3開幕

・なでしこリーグ 7月18日に開幕を予定

・フットサルFリーグ 9月以降に開幕で調整

・バレーボールVリーグ 10月開幕に向けて準備中

・バスケットBリーグ 10月頭に新シーズン開幕

・バスケットWリーグ 9月18、19日に開幕予定

・ハンドボール日本リーグ 9月29日開幕を検討中

・ラグビートップリーグ 来年1月に開幕で調整

・アイスホッケーアジアリーグ 未定

・ホッケー日本リーグ 4月の開幕を9月にずらす

・ソフトボール日本リーグ 9月5日からリーグ後半戦

・アメフトXリーグ 10月に秋シーズン開幕予定