J1横浜F・マリノスはFC東京に1-3で逆転負けし、リーグ戦再開後、初黒星を喫した。

ポステコグルー監督は「結果は残念だが、自分たちのサッカーは良かった部分も多かった。そこを続けていきたい」と振り返った。 選手の疲労も考え、この試合ではFW仲川輝人やMF喜田拓也ら主力数人をベンチスタートに。2点ビハインドの後半18分から仲川やFWエリキ、エジガル・ジュニオの3人を一気に投入して反撃を試みたが、守備を固める相手を崩すことはできなかった。指揮官は「しっかりこのサッカーを続けることで結果はついてくると思いますし、まだ始まったばかりです。ここから自分たちのサッカーを出しながらしっかりやっていきたい」と気持ちを切り替えた。

試合は前半4分にMF水沼宏太の右サイドからのクロスをFWオナイウ阿道がそらし、中に詰めていたMF遠藤渓太が右足で押し込んで先制。その後、PKやFKなどセットプレーから失点を重ねて逆転を許した。

遠藤は「(水沼)宏太君からいいボールがくるのはわかっていましたし、信じて中に入って、あとは感覚で足の裏でヒョイってやったら入りました」と振り返った。この試合でJ1通算100試合出場も達成。勝利とはならなかったが、節目を自身のゴールで祝った。「途中出場も多いので、DFの選手とかのフルタイム出場と比べたらたいしたことない」と謙遜するが、同期入団選手や後輩たちが次々とレンタル移籍などで他チームへ活躍の場を移す中、横浜に残って結果を出すことにこだわり、プロ5年目でたどり着いた大台でもある。

この日の試合後も「100試合をマリノスで迎えられた喜びはある」と語った。再開初戦の浦和レッズ戦では先発するも、前節の湘南ベルマーレ戦はベンチ外。まだ定位置を確保したとは言い切れない中で奮闘を続ける生え抜きの22歳は「100試合とか関係なく、今の自分にはゴールが必要だった。1点で満足しちゃいけないし、2点、3点とれるチャンスがあった中で、チームを逆転に導くプレーをしないといけなかったかなと思っています」とさらなる活躍を誓った。

また、再開後、初のホームでの有観客試合については「サポーターがいるといないのでは違うと思ったし、ボールを奪った時とか、ちょっとした選手の頑張りに拍手をもらっただけでも力になるなと思いました」とスタンドから何度も送られた拍手の後押しに感謝していた。【松尾幸之介】