J2アルビレックス新潟は29日、アウェーで東京ヴェルディ(午後7時開始)と対戦する。MF高木善朗(27)が、古巣相手に躍動することを誓った。28日は大粒の雨が降る中、聖籠町で最終調整。過去10戦未勝利の難敵をどう攻略するか真価が問われる。高木が確かな技術を武器に、チームを東京Vからの初勝利と今季初の連勝に導く。

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びしょぬれのピッチ、水を多く含んだボールでも、高木の技術が落ちることはなかった。冒頭のみ報道陣に公開された練習では、広い視野を生かし、両足から正確なパスを味方に通した。今季はここまで6試合に出場し、3試合で先発出場。前節25日のホーム水戸ホーリーホック戦(1○0)はベンチに温存された。「コンディションは整っている。疲労感なくしっかり走れている」と好調をキープしている。

古巣東京Vには下部組織から在籍。ドリブル、パス、シュートなど足元の技術を徹底的に磨いた。高校3年の10年にプロデビューを果たすと主力に定着。11-13年はオランダ1部ユトレヒト、14-16年はJ1清水エスパルスに在籍した。15-16年は期限付きで東京Vに復帰し、現在指揮を執る永井秀樹監督(49)とともにプレーした。「ヴェルディのサッカーを体現していた人。永井さんが監督になってからさらに良いサッカーをしているイメージ」と話す。

新潟は現在3勝1敗3分けの勝ち点「12」で5位。対する東京Vは2勝2敗3分け、勝ち点「9」で14位。序盤はつまずいたものの、ここ3試合で2勝1分けと調子を上げている。互いがボール保持率を高め、攻撃を仕掛ける相手のスタイルに対し「まずは守備から。ボールを保持できない時間にイライラせずチームでしっかり耐えられるかが重要。守備力ではこっちに分がある。奪った後は焦らず、いつも通りのサッカーが展開できれば得点は狙える」と自信を口にした。

新潟は当時J1だった04年の初対戦から東京V戦未勝利が続く(5敗5分け)。「勝利をもたらしたい。ボールに多くかかわり攻撃を組み立て、セットプレーでもチャンスを作りたい」。確かな技術を武器に、高木が今季初の連勝をたぐり寄せる。【小林忠】