天皇杯全日本サッカー選手権新潟県代表決定戦の新潟経営大-新潟医療福祉大が16日、新発田市五十公野公園陸上競技場で行われる。5年連続の顔合わせとなった。新潟経営大のDF吉田翼(4年、東海大翔洋出)は“二兎(にと)”を追ってピッチに立つ。17、18日には地元静岡県の小学校教員採用2次試験を受ける。4年連続で新潟医療福祉大に敗れている決勝で雪辱を果たし、モチベーションを高めて教員試験に臨む。

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アップダウンをスピーディーに繰り返し、球際では1歩も引かない。吉田翼は練習で自分の持ち味を確認し、新潟医療福祉大戦に備えた。「最後は力を出し切って勝ちたい」。昨年も決勝に出場。過去に敗れた先輩たちの無念さを最高学年となり実感している。

登録はDF。だが、赤松誠監督(43)は「どこで起用するか直前まで考える」。サイドバック、サイドハーフ、ボランチ、複数のポジションをこなす。チャンスを演出するキーマンの起用法を指揮官は重視。吉田翼も「総力戦になる」と任された位置で全力を尽くすつもりだ。

決勝の後にはもう1つのチャレンジ、地元静岡県の小学校教員採用2次試験が待つ。新型コロナウイルス感染拡大を考慮。人との接触を避けるため、車で試合後すぐに静岡へ向かう。午前6時過ぎから2時間、練習後の午後9時から2時間、毎日寸暇を惜しんで勉強してきた。多い日は1日8時間以上を試験勉強に費やした。7月の1次試験前には1週間練習を休み勉強に集中して合格している。

「将来は子どもたちにサッカーを教えたい」。将来の夢、チーム目標のどちらに対しても同じ熱量で向き合ってきた。成果の1つを見せるのが決勝。「自分たちらしい粘り強いサッカーをする」。まずは新潟医療福祉大戦に全力を傾ける。【斎藤慎一郎】

◆吉田翼(よしだ・つばさ)1999年(平11)2月9日生まれ、静岡県出身。東海大翔洋中から東海大翔洋高へ。新潟経営大では1年夏からトップチーム入り。昨年は茨城国体県選抜メンバーに選ばれ、ベスト8進出。利き足は右。172センチ、67キロ。