ヨーロッパへ旅立った先輩の穴を埋める-。FC東京のルーキーDF中村帆高(23)が18日の練習後のオンラインで取材対応し、ドイツ2部ハノーバーへ移籍したDF室屋成の後釜候補として成長を誓った。チームは19日にアウェーで広島と対戦する。

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中村は言葉に気持ちを込めた。

「(室屋が)どれだけ大きな存在だったか、同じポジションでもあった自分が1番分かっている」

同じサイドバックで、明大卒の先輩後輩でもある。練習はもちろん、試合でも常に、日本代表に選ばれる先輩の姿を目で追った。

「学ぶことしかなかった。もっと近くでやりたかった」。そう率直な言葉を並べた。

室屋の移籍は発表される数日前に本人から聞いた。「頑張ってください」と伝えると、「頼んだぞ」という言葉が返ってきた。前節・名古屋戦後のセレモニーで室屋は移籍決断の理由として「若手の台頭がある。彼らがクラブにタイトルをもたらしてくれると信じている」とはっきり言った。

先輩が成し遂げられなかったリーグ初優勝の悲願。旅立つ先輩の言葉に奮い立った。「これから壁もあると思うけど、どんな困難があっても目を背けない」。謙虚に、火が付いた闘志をにじませた。

絶対的な主力が抜けたことで、結果的に試合出場のチャンスが増えた。昨季はDF渡辺剛が同様の形で得たアピール機会を生かして主力に定着し、世代別日本代表に選ばれるまでに成長した。

中村は「選手である以上、ピッチでの実戦でいちばん経験がある。縮こまらずに、起こることすべてが最後はいいことにつながるように、向き合って成長していきたい」。

頼れる先輩はもういない。1年目でどこまでのパフォーマンスを残せるか、東京の浮沈のカギを握る1人だ。【岡崎悠利】