「ジュビロ磐田の遠藤」がデビューを飾った。元日本代表MF遠藤保仁(40)が、アウェー松本山雅FC戦で本職のボランチとして先発フル出場。攻撃のリズムを作り、早くもチームの核としてゲームをコントロールした。後半にはクロスバー直撃の直接FKを放つなど、チャンスも演出。0-0の引き分けに終わり、磐田は最近8戦勝ちなし(4分け4敗)だが、レジェンドの加入で、次戦への光明を見いだした。

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磐田でのデビュー戦で遠藤が試合を操った。前半開始から積極的にボールを受けると、持ち味のゲームコントロールを発揮。長短のパスを使い分け、リズムを生んだ。後半25分にはゴール前でFKを獲得。右足でこすり上げるように放ったシュートは、鋭く曲がりながらクロスバーに直撃した。あと数センチずれていればゴール。「感触は悪くなかった」。正確無比なキックで見せ場を作った。

チーム合流は今月6日。急ピッチでの調整だった。「今日も特徴を探りながらやっていた」。他選手との連係面はピッチの中で確認。ぶっつけ本番に近い状況でも、チャンスを演出した。後半20分のCKではFWルキアン(29)のヘディングシュートにピンポイントで合わせた。鈴木政一監督(65)は「ラストパスの精度は素晴らしい」と絶賛。連係面の向上が次戦の課題となった。

引き分けで順位は14位に転落。J1自動昇格圏の2位アビスパ福岡との勝ち点差は「18」に広がった。状況は厳しいが、レジェンドの加入で変化は表れている。「試合と練習を重ねることで、やらなきゃいけないことも見えてくる」と遠藤。次戦は中3日、14日のホームV・ファーレン長崎戦。次は勝利のためにタクトを振る。

▽磐田MF山田大記(31)「遠藤さんが入って、落ちつきが出た。前にいいボールが出てくるので、もっといい動きだしをすれば、さらに良さを引き出せたと思う」