J2ジュビロ磐田がドタバタの中で引き分けた。ホームで前節最下位の愛媛FCと1-1。1点を追う後半40分にMF山本康裕(31)が同点ゴールを挙げた。FW小川航基(23)とDF舩木翔(22)、DF石田崚真(24)の3選手が新型コロナウイルスのPCR検査で陽性判定を受けた中で、試合を開催。濃厚接触疑いの8選手を含めると計11人が欠場しながらも、勝ち点1を得た。

試合開催も危ぶまれた一戦で意地は見せた。後半40分にMF山本康が右足で今季初ゴールを挙げ、同点。終盤で辛くも追いついた。同点ゴールをアシストしたMF清田奈央弥(19)は急きょメンバー入りした1人。試合後は「もともとメンバー外だったので、昨日の夜は複雑な気持ちだった」と胸中を明かした。

チーム内で陽性者が出たことで、メンバー編成も大幅に変更。この日のベンチ入りは、上限より1人少ない17人。杉本大地(27)と三浦龍輝(28)の「GK2人」が控えに入る異例の事態となった。選手らは5日から3日連続でPCR検査を実施。クラブハウスなどの施設も消毒作業に追われたという。鈴木政一監督(65)は「気持ちを切り替えてピッチに立ってくれた」と選手をたたえたが、万全のコンディションだったかは疑問が残る。

今季も残り10試合。中2日で迎える11日のホーム新潟戦もベストメンバーを組めない可能性が高い。指揮官は「誰が出ても同じサッカーをできなければいけない」と顔を上げた。ピッチ外で起きている緊急事態を一丸で乗り切るしかない。【神谷亮磨】