今季J1王者の川崎フロンターレが3ゴールを挙げて最終節を締めた。MF家長昭博(34)の2得点とMF三笘薫(23)の2アシストなどで、柏レイソルに3-2と逆転勝ち。シーズン最多得点記録を88とさらに更新したほか、勝利数や勝ち点、得失点差などで新記録を打ち立てた。クラブが唯一、手にしていない天皇杯のタイトル獲得へ弾みをつけた。

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途中出場の2人が躍動し、川崎Fが見事な逆転劇でリーグ戦を締めくくった。鬼木監督は後半、MF家長と三笘をピッチへ。2点を追う後半3分に右CKから家長がヘディングで1点を返すと、続く10分にはGKのミスから三笘がボールを奪い、FWレアンドロ・ダミアンのゴールをアシスト。36分には三笘のスルーパスに家長が反応して、逆転に成功した。指揮官は「今季を象徴するかのような彼らの頑張りを見せてもらえた」と満足げに話した。

最速Vやシーズン12連勝のほか、今季はさまざまな記録を打ち立てた。勝ち点83は、これまでのJ1最多だった15年サンフレッチェ広島、16年浦和レッズの勝ち点74を大きく上回る数字。総得点も88点と、クラブの歴代最多だった06年の84点を上回った。爆発的な得点力を誇る一方、失点数も31とリーグ最少2位に抑えた。得失点差はプラス57。MF守田は「優勝が決まってからは、記録に目を向けてやってきた。今日も全員が気持ちの入った試合だった」と総括した。

今季は1シーズンで4人が2桁得点の大台に乗せた。FW小林が14得点、三笘とレアンドロ・ダミアンが13得点、家長が11得点。4人が2桁得点を記録したのは、84得点した06年以来2度目で、34試合制となった05年以降のJ1では川崎Fのみが保持する記録だ。

リーグ戦を終えて、27日には天皇杯準決勝が控える。鬼木監督は「この勝利を天皇杯につなげたい」と、勝ってかぶとの緒を締めた。【杉山理紗】

▽新人最多弾を逃した川崎FのMF三笘 (新記録を)狙いたいけど優先順位を考えて、チームメートが空いていたらパス。