昨季7位で悲願の昇格を目指すモンテディオ山形は、ここ10年で1勝9敗と「鬼門」の開幕戦で、勝利した17年以来4年ぶりに勝ち点を獲得した。アウェーでFC町田ゼルビアと1-1で引き分け。先制して試合終了間際に追いつかれる展開で、90分間通したシュート本数は3本と苦しんだが、難関突破へ1歩前進した。

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つかみかけていた勝ち点3がするりとこぼれ落ちた。山形は後半11分、FWヴィニシウス・アラウージョが入れた右クロスを相手DFがクリアミスし、オウンゴールで先制。しかし、追加点を奪えずに迎えた同41分、セットプレーから同点ゴールを許した。同45分にFW2人含む3枚替えで打開を図ったが、対応が後手になり、17年以来の白星スタートを逃した。

開幕戦の硬さからか前半はシュート0本、後半は同3本と攻撃の迫力不足が否めず、昨季総得点59でリーグ4位タイだった攻撃力を示せなかった。石丸清隆監督(47)は「ポジショニングが悪く、自分たちからつかまり、相手としては守りやすかった思う。自分たちがやりたいことはあまりできなかった印象。そういう意味では町田さんのゲームだった」と話した。

J1横浜から新加入し、先発したMF山田康太(21)は「前半の入りは理想の試合運びができず、自分たちでゲームコントロールする時間が短かった。セットプレーで追いつかれてメンタル的に落ちてしまった部分はある」と悔やんだ。

昨季の山形は前半戦で5勝8分け8敗と22チーム中17位に沈んだ。14ゴールで得点ランキング5位に入ったアラウージョの得点量産とともに浮上し、後半戦は12勝3分け6敗。最終的に17勝11分け14敗の7位でシーズンを終えた。次戦は7日に東京ヴェルディとアウェー戦。初勝利をつかみ、昨季後半戦のように勢いに乗っていく。【山田愛斗】