徳島ヴォルティスのダニエル・ポヤトス新監督(42)が、17日のホーム鹿島アントラーズ戦で初采配をふるった。新型コロナウイルスの影響で来日が3月30日と遅れ、その後も待機期間をへてようやくの合流。試合は前半31分にCKから先制を許し、そのまま逃げ切られて白星で飾れなかった。

「難しい試合だった。しっかり守られ、セットプレーでやられた」と振り返ったポヤトス監督はポジティブだった。「後半は修正してチャンスを作った。負けることは悲しいが、負けに値するような試合ではなかった。選手たちが後半、示してくれた」。

間接的な指導は行ってきたが、直接には試合前の2日間だけ。チームも中2日の厳しい日程で、「強度のあるトレーニングはできなかった」と話し、その中でも「選手の近くにいられることは、監督として幸せ」とかみしめていた。

試合後の会見で、主将のMF岩尾が興味深い話をした。新監督合流による変化を聞かれ、「詳しくは言えないが食事や集合時間など細かい変更は結構ある。ピッチ外の部分だが、適応には時間がかかると思う」。これまでの当たり前がそうではなくなる。岩尾は「(パフォーマンスに)影響したかは分からないが」と前置きし、「改善していかないといけない」と言った。

それは伸びしろにつながる。「ポヤトス流」が完全に浸透した時、チームはどう変われるか。指揮官は試合前に「勇敢に戦おう。相手はあまり考えず、自分たちのプレーをすることだ」と伝えたという。7季ぶりのJ1で健闘を続ける徳島が、陣容を整えてさらに力強く前に進む。【実藤健一】