ヴィッセル神戸の徳山大樹社長(32)が29日、オンラインで取材に応じ、前日28日にJリーグから開示された20年度のクラブの経営状況について説明した。

19年度に営業収益でJリーグ史上最高の約114億円を記録した神戸は、昨年度は約6割ダウンの47億1400円(J1で6位)になった。それまで親会社・楽天グループが神戸を積極的に活用したプロモーションを行っていたが、コロナ禍の影響を受けたことで大幅に減少。徳山社長は「広告収入が減ったというのが、一番大きな要因」と説明した。

神戸はMFイニエスタの年俸が推定32億5000万円だったが、契約延長となる来年以降は同20億円程度に大幅減俸となる見込み。神戸のチーム人件費は19年度で約69億円、昨年度で約64億円とJリーグでもダントツだった。今後は圧縮を迫られる可能性がある。

徳山社長は「なかなかセンシティブでお答えできないことも多いが、当然ながら厳しい状況なのは変わらない。いかにチームが勝つために、本当に必要な選手、勝つために最適な方法を取るのは、より一層、意識しないといけないと感じています」という。

それでも「目標のアジアNO・1は変えずにやっていくので、そこを目指し、そこに必要なら補強はもちろん行う。必要ないのなら行わない。方針自体は変わらない」。昨年初出場でベスト4に入ったアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)で、悲願の優勝を目指したチーム作りの軸は変えないことを強調した。【横田和幸】