柏レイソルの19歳の守護神が、19日のリーグ第18節サンフレッチェ広島戦(Eスタ)で輝きを放った。

ゴールマウスを守ったのは02年生まれの高卒新人、佐々木雅士(まさと)。今季から柏の下部組織からトップに昇格。既にルヴァン杯、天皇杯で6試合に先発し、1年目ながらすでに一人前の証である、金額上限のないA契約にたどり着いている。

J1デビュー戦で、前半だけで17本のシュートを浴びたが、好セーブを連発し相手の決定機を阻止。後半33分に、広島DF佐々木翔のクロスが味方に当たってゴールに吸い込まれ1失点したが、左足を駆使した攻撃の組み立て、果敢な前への飛びだしも含め、堂々としたプレーぶりだった。

試合後、佐々木はリーグデビューに「(カップ戦で)慣れていたので、特に意識することはなかった」と強心臓ぶりをみせ「攻められる時間が長くて、我慢する時間帯で我慢できていたが、最後、守りきれなかったのが悔しい。シュートに対してもよく反応できていたし、よく見えていた。ディフェンスラインの背後のケアもいいプレーはいくつかあった。継続していきたい」と手ごたえを口にした。

広島のGKは東京オリンピック(五輪)日本代表の有力候補、大迫敬介(21)だった。同世代のU-24日本代表の川口能活GKコーチが視察に訪れる中、無失点で守りきり、18人のメンバー入りへ最後のアピールをした。

東京五輪世代は大迫のほか、湘南GK谷、鹿島GK沖が所属クラブで先発出場している。佐々木は24年のパリ五輪世代だが、同じ02年生まれの浦和GK鈴木彩艶(18)とともに、リーグデビューを果たしており、早くもパリ五輪世代の若手GKがJ1で台頭している。

佐々木は19歳でのA契約に「全然、想像はしていなかった」と話すが、パリ五輪へ向け「まずはチームで結果を出すことが大事。チームで試合に出られなかったら五輪には出られない。まずはチームで結果を出すこと」と足元をしっかり見つめる。

佐々木は、一足早く飛び級でU-24日本代表に招集された鈴木に「もちろん、刺激を受けています」と負けん気をあらわにする。ハイレベルなGK争いは、東京五輪世代からパリ五輪世代へと続いていきそうだ。【岩田千代巳】