鹿島アントラーズのGK沖悠哉(22)が26日、28日の横浜F・マリノス戦を前にオンラインで取材に応じ、東京オリンピック(五輪)代表の落選を反骨心に、A代表入りを誓った。

東京五輪は最終選考に残っていたが、最後の最後で落選。代表発表はJリーグの大分トリニータ戦の前日だった。代表で最後の親善試合で出場機会がなく、あきらめてはいなかったが「厳しい」とは思っていたという。落選でもぶれることなく、Jリーグの試合へ向かっていたはずだったが「自分が思っている以上に引きずっていて、いろんなところで切り替えができてなくて」と当時を振り返る。 一緒にプレーをした仲間が五輪の舞台で戦い、活躍しているのを見ると、刺激を受けた。同時に、自分の実力が足りないことを受け止めなくてはいけない悔しさも込み上げた。複雑な思いが交錯した。だが、佐藤洋平GKコーチ、曽ケ端準アシスタントGKコーチ、先輩のクォン・スンテの支えで前を向くことができた。

曽ケ端コーチは、自身もシドニー五輪に落選し、02年のW杯、04年のアテネ五輪にオーバーエージで出場し飛躍を遂げている。曽ケ端コーチの成功体験も沖の力になっている。沖はスタッフや先輩に感謝し「最終的に今じゃなくて、何年後かにA代表に携われたら、あのとき悔しい思いをしてよかった、と思えるだろうし、今はそのことを想像して練習に取り組めている。落選という環境を与えてくれたことに今は感謝している」と言い切った。

落選のその悔しさを糧に、今は練習や公式戦に臨んでいる。「今回、谷がA代表には入りましたけど、そこはもちろん、五輪で活躍しているからこその代表だと思う。自分はやるべきことを鹿島でやり続ける事が大事だし、ゆくゆくの目標はA代表。そこに対して、地道に1歩ずつ進んで行けたら」。鹿島を勝たせるGKとして存在感を発揮すれば、A代表につながるはずだ。【岩田千代巳】