鹿島アントラーズは横浜F・マリノスを2-0で下し、3位に浮上した。この日、23歳の誕生日を迎えたFW上田綺世が、マリノスキラーぶりを発揮した。

前半15分はGK沖のゴールキックの競り合いでつぶれ、そこを起点にMF荒木遼太郎の今季9得点目をお膳立て。前半30分には、自陣ペナルティーエリア内でボールを奪うと、MFピトゥカからスルーパスを受ける。横浜DF畠中の背後から加速し相手GKと1対1になると、冷静に股抜きシュートを放った。「最初、サイドを起点でつくろうと開いたが、ピトゥカがドリブルで運んできてくれて。センターバックの畠中選手と2対1をつくることができたので、僕はよりゴールに近い選択肢をタイミング良く選べたし、それを感じ取って(ピトゥカが)いいパスを出してくれたので決められたと思います」と振り返った。

19年8月10日に横浜戦でプロ初得点を決めてから、横浜戦5戦連発。横浜に対して「得意なイメージは特にないですけど、ハイラインだと分かっていましたし、自分の動きだしという武器は生かしやすいと思います」と話す。チームも対横浜に5連勝となった。

東京オリンピック(五輪)代表として戦った後、22歳の最後の試合となった25日の前節清水エスパルス戦で得点。23歳の誕生日の日に、2位横浜との対戦で、動きだしとシュート力と持ち味を生かしたバースデー弾を決め、チームを勝利に導いた。「たまたま誕生日でしたけど。大事な場面で貴重な勝利になったと思いますし、チームも勝って勢いに乗れると思いますし、素晴らしい誕生日になったと思います」。東京五輪は無得点に終わり、悔しい思いをしたが、その悔しさを糧に飛躍する23歳になりそうだ。