日本初の女子プロサッカーリーグ、WEリーグが12日、いよいよ開幕する。アルビレックス新潟レディース(L)は最年長のMF上尾野辺めぐみ(35)がチームをリードする。新体制になり構築したゴールに向かう「突進スタイル」で勝ち点3を狙う。開幕はデンカビッグスワンスタジアムでの長野戦。午後5時キックオフで新リーグのスタートを切る。

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WEリーグ開幕。上尾野辺は「ワクワクしている。早く試合がしたい」と胸を高鳴らせている。開幕前日の11日はシュート練習やセットプレーの確認など、軽めの練習で最終調整を行った。最後はみんなで「(開幕戦を)楽しもう」と話したと言う。

06年に新潟Lに加入し、16シーズン目。キャプテン上尾野辺はチームメートからの信頼も厚く、チームをリードしてきた。「年数は気にしていない。1年を通してケガなく、コンディションを維持しながらやり通したい」と意気込みを口にした。

2月、新指揮官に村松大介監督(44)が就任した。新体制となり新リーグに向け始動し、7カ月。村松監督は「サッカー中は年齢関係なく、言い合いなさい」と選手に指導し続けた。昨季に比べ、コミュニケーションやプレーに対しての選手間の話し合いも増していった。プレーではゴールに向かい、前にどんどん人が出ていく「突進スタイル」を築き上げてきた。

上尾野辺は「チームの強みを思いっきり発揮してもらい、足りないところはフォローする」とキャプテンらしい頼もしさを見せる。選手が相次いで新型コロナ陽性判定を受けて約2週間の活動を停止から、5日に活動再開したばかりだが、「今後の勢いをつけるためにも、まずは勝ち点3を取りたい」。チーム全体でゴールに向かう姿勢、ひたむきさと貪欲さを前面に出しての白星発進を誓った。【飯嶋聡美】

◆「2021-22 Yogibo WEリーグ」 日本初の女子プロサッカーリーグ。WE(ウィー)は女性の活躍を意味する「Women Empowerment」の略。クラブは15人以上とのプロ契約が必要で最低年俸は270万円。初年度は11クラブが参加。昨季までのトップカテゴリーだったなでしこリーグ1部から7クラブ、同2部から2クラブが入り、新設された大宮と広島が加わった。

ホーム&アウェー方式の2回戦総当たりの秋春制リーグ戦。9月12日開幕し、最終節は22年5月21日または22日を予定。試合エントリーは1チーム18人以内(外国籍選手5人まで)。各節で試合のない1クラブは「理念推進日」としてリーグ、チームの理念に基づいた活動を行う。表彰・賞金は優勝は2000万円とWEリーグトロフィー、2位1500万円、3位500万円。

◆アルビレックス新潟レディース J2アルビレックス新潟の女子チームとして02年創設。03年北信越女子リーグに優勝し、なでしこリーグ2部昇格。06年に2部で優勝し1部に昇格。皇后杯準優勝4回。19年に株式会社アルビレックス新潟レディースとして分社独立。20年はなでしこリーグ1部で5位(8勝3分け7敗)。

◆AC長野パルセイロ・レディース 09年シーズン終了後にJ3のAC長野パルセイロの女子チームとして移管。15年なでしこリーグ2部で優勝。16年1部3位。20年は2部で5位。