J2アルビレックス新潟のFW鈴木孝司(32)がチームの闘争心に火をつける。今日9日のホーム、レノファ山口FC戦に備え、8日は聖籠町で最終調整した。3連勝を狙った前節3日は下位に沈むツエーゲン金沢に0-1で敗れて4位に転落。J1昇格圏の2位京都サンガFCとは勝ち点差は再び10に広がった。厳しい状況となったが、逆転昇格の可能性が残されている限り、ベテランFWは全力でリーグ戦残り10試合を戦う。

リーグ戦も残り10試合。J1昇格の可能性は残すが、練習グラウンドは日を追うごとに緊張感が増している。この日はウオーミングアップやボール回しなど冒頭のみの練習公開。その中で鈴木は常に笑顔でチームメートに接し、雰囲気を盛り上げた。「(新潟の選手は)勝敗によって浮き沈みがある。一定のメンタルで毎日の練習、試合に臨めるよう、言葉や姿勢でチームを引っ張りたい」とベテランは力強い言葉を並べた。

重要な一戦と位置づけた前節金沢戦は1トップで先発出場。攻撃の起点となろうと最前線で体を張って縦パスを引き出した。だが周囲のフォローが少なく孤立した。「みんなが立ち位置を気にしすぎた。監督の指示をベースにもっと柔軟な考えが必要」。自身もハーフタイムで交代を告げられるなど不完全燃焼に終わった。「(交代は)仕方がない出来だった。今週はよりピッチでの会話が増えたので縦パスが入った後の連動性は出てくると思う」。

新潟は16勝9分け7敗で4位。J1昇格ラインの2位京都までは10点差。さらに勝ち点57で5位ヴァンフォーレ甲府と並び、6位FC町田ゼルビアが2差に迫り、負けられない状況が続く。「ここからは強い気持ちを持ったチームが昇格できる。自分たちは全部勝つしかない」。山口との前回対戦(3月13日)は2-1で勝利しているが「簡単な相手ではない。攻撃に向かう部分を全員で共有してゴールをこじ開けたい」と闘志をみなぎらせた。【小林忠】