アルビレックス新潟はホームでレノファ山口を1-0で下し、2試合ぶり勝利を飾った。後半17分、FW鈴木孝司(32)がMF三戸舜介(19)からのパスを冷静に流し込んで決勝ゴールを奪った。勝ち点を60に伸ばした新潟は暫定で3位に順位を上げ、この日試合のなかった2位京都サンガとの勝ち点差を7と縮めた。次節は16日、アウェーでV・ファーレン長崎と対戦する。

鈴木がビッグチャンスを確実に決めた。後半17分、鈴木のポストプレーを受けた高木が右に展開。走り込んだ三戸が相手GKをかわして中央に折り返すと、フリーで走り込んだ鈴木が無人のゴールにシュートを流し込んだ。「(三戸も)僕も目が細いので目が合ったか分からなかったが、いい位置に入れた」と笑顔。得点後はゴール裏のサポーターのもとへ駆け寄り、跳びあがって右腕を突き上げた。「ずっとホームで得点がなかったので『お待たせ』という思いで走って行った」と今季6得点目を素直に喜んだ。

トップの位置ではなく、トップ下で先発出場。アルベルト監督(53)からは2列目からの飛び出しと、中盤でパスを引き出すことを求められた。ただチームは序盤、相手のハイプレスに苦しみ、効果的な攻撃を仕掛けることができない。給水タイム後、鈴木を1トップに置く従来の形に戻すと、徐々に試合をコントロール。鈴木は後半30分に交代するまで最前線で体を張り続け、攻守でチームを引っ張った。チーム全体で放ったシュート数は8本にとどまったが「理想とする形は少なくても、勝利できたことが一番」と振り返った。

ホームで2試合ぶりに白星を挙げ、17勝9分け7敗で勝ち点を60に伸ばした。次節はJ1昇格圏入りを争う長崎と対戦する。「僕らは1つ1つ勝っていくしかない。次に向けて、いい準備をしたい」と自らを奮い立たせるような口調で決意を示した。【小林忠】