ヴィッセル神戸が24日の名古屋グランパスとの一戦で、元日本代表FW武藤嘉紀(29)の活躍により2点差を追いつき、アウェーで貴重な勝ち点1を獲得。今夏に行った大型補強が、確実に威力を発揮している。

アジア・チャンピオンズリーグ(ACL)出場圏の3位を争う直接対決で名古屋に0-2から追いつき、大きな勝ち点1を手にした。後半に転じた猛反撃を主導したのが、今夏に加入した武藤だった。

神戸は後半開始からFWボージャンを投入。武藤は2トップから2列目に下がった。より運動量を求められる位置で走り回った。後半14分、CKからDFフェルマーレンが頭で落とし、こぼれ球に詰めて反撃の1点を決めた。さらに後半30分過ぎ、ペナルティーエリア内に侵入し、PKを獲得したのも武藤だった。

「勝つために自分は死に物狂いでプレーしたい」と試合後に語った。以前は早々にリードされると淡泊さもあったチームに武藤、そして日本代表FW大迫、ボージャンらが変革をもたらす。武藤は加入後、出場9試合で4ゴール。名古屋GKランゲラックのスーパーセーブに阻まれたが、イニエスタのクロスにどんぴしゃで頭で合わせるなど、チームの中でフィットしてきた。

大迫、MF山口と主力がけがで離脱中に加え、この試合でもボージャンが脚の負傷で退いた。現状、武藤が攻撃陣を支える部分は大きい。「もう1度、ACLに出たい。サポーターにいい景色を見せたい」と武藤。海外で積み上げた厳しい経験を正念場の残り5試合、チームに注入していく。【実藤健一】