J2アルビレックス新潟はアウェーで群馬と0-0で引き分け、2連勝は逃した。試合後、アルベルト監督(53)が今季限りでの退任を明言した。就任2年目の今季は攻撃的サッカーを浸透させ、開幕から13戦無敗で首位を独走したが、中盤戦以降は息切れし、J1昇格を逃していた。クラブからは続投要請を受けたが、来季はJ1東京の監督就任が濃厚。指導者としてレベルアップを求め、新天地に向かうことを決めた。

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就任2年で攻撃サッカーを植え付けたアルベルト監督が、新潟を去る。試合後、オンライン会見に臨み、「今シーズンをもって新潟を離れる。難しい決断だった。クラブは続投を要請してくれたが、私が決断を下した」と話した。試合終了直後にはアウェーの地に駆けつけたサポーターのもとに走り、クラブのエンブレムに何度も手をやった。「深い愛情をくれた。新潟は第2の故郷」と感謝した。

来季はJ1東京の監督就任が濃厚となっている。新潟は続投を要請し、話し合いを重ねたが、最終的には監督本人の判断を尊重した。クラブ関係者は「明確な時期は言えないが、(東京からの)オファーは少し前に来た。選手と同様、監督もステップアップを望むもの」とし、後任については「まだ、未定。何も決まっていない」と話した。

選手には、この日午前中にアルベルト監督が直接、退任を伝えた。「私が指導者として成長できたのは選手たちのおかげ。クラブは来季以降も攻撃スタイルを継続すると約束してくれた。安心してサッカーに取り組んでほしい」。試合は決定機を生かせず今季13度目の引き分けに終わったが「プレースタイルに誇りを持って欲しいし、攻守の切り替えもすばらしかった」と2年間をともに戦った選手に賛辞を贈った。

残り2試合。次節28日はアウェーで琉球と、12月5日にはホームで町田とリーグ最終戦を戦う。「あと2つ、全力で勝利を目指す」とアルベルト監督。連勝締めで選手と磨き上げた攻撃サッカーを示す。【小林忠】

○…右サイドバックで先発出場のDF長谷川は積極的な攻撃参加で何度も決定機を作った。18年には群馬で“武者修行”を経験。「少しの在籍だったが成長させてくれたチーム。後半の決定機で自分が決めきれていれば。来季に向けてもっと成長しないと」。

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