北海道大谷室蘭高出身でサッカー関東リーグ2部の関東学院大FW村上悠緋(ゆうひ、20)は、23年にJ1横浜F・マリノスへの加入が内定している。大学3年でプロへの道を切り開いた道産子ストライカーは自慢の得点力を武器に、Jリーグ得点王からのW杯得点王を夢見ている。

   ◇   ◇   ◇

村上が横浜の一員になる。今年7月に23年シーズンの加入が内定した。関東学院大と同クラブは提携しており、身近な存在。2年時から練習参加などを重ねてアピールしていた。今季から特別指定選手にも登録されている。まだ大学3年。「サッカーを始めたころからプロサッカー選手になるのが夢だった。第1歩。レベルの高いところで成長したい」と思い描く。

J1優勝4度で今季現在2位の強豪での主力奪取は険しい道だ。特に前線は外国人選手含めて強力。それでも「大卒は即戦力。負けないように得点というかたちでチームの勝利に貢献したい」と闘志を燃やす。2年生の昨年、20ゴールを挙げ関東2部得点王に輝いた自信が「武器は得点力と多彩なシュートバリエーション」と言い切らせる。公式戦でもオーバーヘッド弾を決めるなど、左右両足からゴールを奪う。

高校時代は夢をかなえられなかった。北海道大谷室蘭では2、3年時に連続で全国選手権北海道大会決勝で敗れた。「選手権に出たいのがあったので、すごい悔しかった」。流した涙を糧に成長。函館中の沢小時代、地元で開催されたJ2時代の札幌の試合を観戦していたが、「ライバルとして自分が試合に出て倒したい」と、札幌戦での凱旋(がいせん)を誓う。

プロ入り後のさらなる夢がある。「Jリーグ得点王はFWとして魅力」と見据えるが、「最終的な目標は日本代表としてW杯に出て、得点王になりたい。それを実現するためにJリーグで活躍しないといけない」。トリコロールのユニホーム姿で、サムライブルーのユニホーム姿で、ゴールを量産する時が待ち遠しい。【保坂果那】

◆00年生まれの道産子Jリーガー J1では札幌DF中村桐耶(むかわ町出身)が札幌U-18から高卒で昇格してプロ3年目。J3福島MF池高暢希(泊村出身)は浦和ユースから19年浦和入りし、昨季はJ3富山。村上の1学年先輩になる早生まれの筑波大MF井川空(音更町出身)は札幌、札大MF野瀬龍世(釧路市出身、すべて21)はJ3八戸への来季加入がともに内定している。

◆村上悠緋(むらかみ・ゆうひ)2000年(平12)12月19日、函館市生まれ。函館中の沢小1年からサッカーを始める。函館桔梗サッカー少年団-フロンティアトレナーレFC-北海道大谷室蘭高-関東学院大。高校時代は1年時に全国総体出場。2年から背番号10。大学2年で関東リーグ2部得点王、ベストイレブン。今季は20試合9得点。178センチ、70キロ。利き足は右。家族は母と兄。好きな選手はBミュンヘンFWレバンドフスキ。