アルビレックス新潟はアウェーでFC琉球と1-1で引き分けた。

前半35分に先制を許したが、後半3分にFW鈴木孝司(32)が、後半開始からピッチに入った右DF藤原奏哉(26)のクロスを左足で合わせて追いついた。鈴木のゴールは今季9得点目。J2・J3合わせて5度目のリーグ戦年間2桁得点に「王手」をかけた。

次節12月5日はホームでFC町田ゼルビアと対戦。今季最終戦を勝利で締めくくる。

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エースが古巣から宣言通りのゴールを決めた。0-1の後半3分。右サイドを駆け上がったDF藤原にパスを出した鈴木はゆっくりとゴール中央に進入。グラウンダーの折り返しを受けると、冷静に左足ワンタッチで流し込んだ。前日27日の会見で「(沖縄名物の)ミミガーを食べてゴールを狙う」と不敵な笑みを浮かべていた。言葉通りの今季9得点目に「(谷口)海斗がうまくニアでつぶれてくれた。自分は合わせただけ。チームとして今季1番のゴールだったと思う」と振り返った。

2試合連続でフル出場の鈴木は1トップの位置で縦パスを何度も受け、味方の攻め上がりを引き出した。背後への抜け出しも意識し、相手最終ラインを引き下げる役割も果たした。ただ、チームは2試合連続のドローに終わり「可能性のあるサッカーができた分、勝てなかったことが残念」と悔しがった。

鈴木は19年シーズンの約半年間、琉球でプレー。27試合の出場で15ゴールを奪った。町田時代の14年にはJ3初代得点王に輝くなど、J2とJ3で過去4度、リーグ戦年間2桁得点を記録している。5度目の2桁得点に「王手」をかけて臨む今季最終戦はホームで再び古巣の町田との対決となる。「サポーターが背中を押してくれる。絶対に勝って、一緒に喜び合いたい」と意気込んだ。

▽アルベルト監督(鈴木の同点ゴールに)「今シーズンの中で最も美しい得点だった。後方から少ないタッチでパスを回し、いい形でフィニッシュに持ち込んだ。チームが2年間で成長したことを示した」。

○…後半開始から出場のDF藤原はオーバーラップから鈴木の同点ゴールをアシスト。「相手サイドバックを引き出すために中央に寄りすぎないことを意識した。ニアに入った(谷口)海斗にパスを出そうと思ったが、最後のところで(鈴木)孝司さんに切り替えた」。