ジュビロ磐田は0-0でザスパクサツ群馬と引き分け、1試合を残してJ2優勝が決まった。

試合終了から約8分後。2位京都が引き分けた情報が入ると、ピッチ内で待機していた選手たちは歓喜の輪をつくった。この日はメンバー外の選手と全スタッフが現地で観戦。サポーターも含めた全員で喜びを分かち合った。

主将のDF大井健太郎(37)は「勝てなかったけれど、1年間積み上げてきた結果。非常にうれしい」と白い歯を見せた。試合は29試合ぶりの無得点。強風の影響で本来の攻撃的なスタイルは鳴りをひそめた。ただ、終始ボールを支配し、ゲームを掌握。MF遠藤保仁(41)も「今日みたいな試合はある。負けなかったことが評価できる」。クラブの不敗記録を「18」に更新。負けない強さを見せて栄冠をつかみ取った。

クラブはJ2優勝でのJ1昇格を目標に掲げた。指揮を執る服部年宏ヘッドコーチ(48)は「リーグ優勝はなかなか経験できるものではない。この経験は今後につながる」と強調した。連敗スタートとなった今季は右肩上がりに調子を上げた。人とボールが連動するスタイルに磨きをかけ、勝つことで自信をつけながら、チームも成長してきた。

クラブ史上2度目のJ2降格が決まった19年シーズンはJ1で最下位だった。どん底からはい上がり、J2覇者として来季はJ1に挑む。今季は残り1試合。遠藤は「次はホーム。プロとして目の前の公式戦には全力で戦う」と力を込めた。最後は、勝って締めくくる。

◆Jリーグ村井満チェアマンのコメント

シーズン序盤は黒星が先行しましたが、すぐに立て直し、無失点で7連勝するなど、チーム本来の底力を発揮しました。どのような場面でも自分たちのスタイルを貫き通す芯の強さが、リーグ優勝、そして3年ぶりのJ1を引き寄せたのではないでしょうか。来季も磐田の魅力あふれる熱戦を期待しています。