ソニー仙台の鈴木淳監督(60)が、鈴鹿FWカズを絶賛した。「サッカーにかける情熱、努力にはリスペクトしかない」と話し、「きょうのパフォーマンスも、素晴らしかった」と振り返った。

この日、試合前にはカズがベンチまで訪れてハグをかわし、交代直後にもベンチにあいさつに来た。異例ともいえるカズの行動に鈴木監督は「もう古い付き合いだから」と苦笑いしたが、2人の関係は、カズがブラジルでプロ初ゴールを決めた1988年までさかのぼる。

筑波大から84年に日本リーグのフジタ(現J1湘南)入りし、日本代表にも選出された鈴木監督がフジタを離れたのが88年。その後、ブラジルに渡った先がカズが所属していたキンゼ・デ・ジャウーだった。「懐かしいね。毎日、淳さんを乗せて僕が運転した。サッカーの話も、たくさんしたよ」と、34年前を振り返ってカズは笑った。

鈴木監督は89年に地元宮城に戻り、東北リーグの松島クラブでプレー。92年からは東北電力(ブランメル仙台、現J1ベガルタ仙台)で活躍して96年に引退。その後は山形、新潟、大宮、千葉とJ監督を歴任し、日本協会の仕事をはさんで今季から再び故郷に戻りソニー仙台の指揮をとる。

今季2勝目に「練習の成果が現れてきた」と喜びながらも「目指すべきは、まだまだ先。もっとレベルアップしていきたい」と鈴木監督。「改めてリスペクトの気持ちが強くなった」という旧友の活躍にも刺激を受けながら、選手全員が社員の企業チームを率いてJFL制覇を目指す。【荻島弘一】