Jリーグは26日に理事会を行い、2020年11月の試合で「八百長未遂」があった日本フットボールリーグ(JFL)鈴鹿ポイントゲッターズが停止されている「百年構想クラブ」資格の扱いについて、停止を継続すると発表した。同資格はJリーグ準加盟に相当するもので、クラブからの改善案を受けて審議を続け、6月の理事会で停止を解除するかが決定される。

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前代未聞の事件が起きた鈴鹿の処遇は、6月まで持ち越されることになった。この日の理事会では、クラブの体制改善に向けた進捗(しんちょく)状況を共有。Jリーグの野々村芳和チェアマン(49)は「改善といっても、1、2カ月で簡単にできるものでもない。検討いただく時間をもってもらい、こちらもいただいて検討したい」と話した。

「百年構想クラブ」資格はJ3昇格への必須条件。鈴鹿は20年11月の試合でクラブ幹部が敗退を指示していたことが判明し、資格を停止されている。6月の理事会で解除するか否かが決定されるが、1度失格となる可能性もあるという。その場合は新たな体制での再申請が必要となる。

今月5日に日本サッカー協会(JFA)の規律委員会がクラブへの罰金や幹部などへの処分を決定してから、Jリーグはクラブや鈴鹿市、三重県サッカー協会にヒアリングを行ってきた。解除の条件は、管理体制の改善とホームタウンである鈴鹿市の支援継続の2点。担当の大城ライセンスマネジャーは「方向性について少し伺っているが、明確に決まったことは聞いていない」と説明し、今後クラブ側からの具体案を受けて議論を進めるという。

今回は「八百長未遂」だったが、野々村チェアマンはJリーグとしての姿勢についても言及。「サッカーの現場において八百長はありえない。起きないように選手たち、周りをどう教育していくか、Jリーグとしてどういうことを周知徹底すれば防げるか、これは常にやっていかないといけない」。今後同様のことが起こらぬよう、さらに対策を考えていく。【磯綾乃】

 

◆鈴鹿の八百長未遂 鈴鹿の幹部らは、20年11月29日の最終節ソニー仙台戦に敗れた方が他クラブのJ3昇格を阻む可能性が高くなると判断し、チームに敗戦を指示。激しく反発されたため、社長が方針を撤回。試合は0-1で敗れた。21年12月に鈴鹿の元役員がツイッターで不正を暴露し、Jリーグは2月末に鈴鹿の「百年構想クラブ」資格を条件付きで停止。JFL規律委員会が調査したが、意図的な操作で負けたとは認められなかった。日本サッカー協会は4月5日、クラブに500万円の罰金、元役員に2年間、オーナーに3カ月、社長に1カ月のサッカー関連の活動を禁じる処分を発表した。

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